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病原抵抗性遺伝子をご存知ですか?


植物の潜在的な抵抗性を引き出すことで、病気の発生を抑制して、
殺菌剤などの農薬の使用量を減らすことができたらすばらしいですね。


最近では、食の安全性が特にクローズアップされていますが、
同時に環境を守ることも大切なことは勿論です。
だからこそ、出来る限り農薬を使用しない農業技術が求められていると言えます。


植物にも、潜在的に病原菌の進入に対して、抵抗性を高める「免疫」のような防御機能があります。
植物ホルモン的な成分であるサリチル酸(Salicylic Acid)を介して、
植物が免疫能を獲得する経路も解明されています。
こうして獲得した防御関連の遺伝子が、病原抵抗性遺伝子です。

 

<参考文献>

Salicylic Acid as a Defense-Related Plant Hormone, T.Kawano and T.Furuichi, SALICYLIC ACID A Plant Hormone S.Hayat and A. Ahmad 2007 Springer

自己防御システムとしての植物免疫 −免疫システムの普遍性と多様性ー  山口淳二、池田亮(北海道大学大学院 生命科学院・先端生命科学研究院)

Dr.岩田の「植物防御機構講座」 http://www.meiji.co.jp/agriculture/lecture/activator.html

Salicylic Acid as a Defense-Related Plant Hormone, T.Kawano and T.Furuichi, SALICYLIC ACID A Plant Hormone S.Hayat and A. Ahmad 2007 Springer


PR遺伝子とは?


植物免疫賦活蛋白質(感染特異的蛋白質pathogenesis-related protein)を コードする病原抵抗性遺伝子がPR遺伝子群です。

サリチル酸誘導の全身獲得抵抗性が生じたことの確認する目安となるものが、 酸性PR-1遺伝子(PR-1a)に代表されるPR遺伝子群の発現なのです。


[ 抵抗性の誘導 ]

新しい動きとして注目されているのが、薬の力で、免疫を引き出そうとする試みです。
植物に、薬物を用いることによって、病原抵抗性をもつ遺伝子を誘導して発現させたり、 さらに遺伝子組換による病原抵抗性遺伝子をもつ植物の開発など、 分子遺伝学による品種改良が行なわれています。

植物に、「免疫」のような全身獲得抵抗性(Systemic Acquired Resistance, 略称SAR) といわれる現象が起きたことは、PR遺伝子群の発現で知ることが出来ます。

サリチル酸の働きによる抵抗性誘導経路が解明され、 このルートをを利用することで、 植物病原細菌および植物病原菌類の防除だけではなく、 従来の農薬では防除出来なかった殺菌剤等の 植物病原性ウイルスによる感染を予防することも可能となってきています。

《サリチル酸の働きによる抵抗性誘導経路》

<Salicylic Acid as a Defense-Related Plant Hormone, T.Kawano and T.Furuichi, より著者の許可のもと掲載>



ところが、植物細胞内で誘導されるサリチル酸や過酸化水素を 直接植物に与え、外部から酸化ストレスを加えてPR遺伝子を起こすには、 高濃度の薬を与えなければならないことも分かっています。

本来植物生体内で生じる刺激濃度を大幅に超える濃度では 植物自体に障害を与えてしまい、部分的に細胞死がおきたりしてしまいます。

また、薬が植物には取り込まれずに土壌や水に残留してしまい、 環境に影響を与えてしまう懸念もあります。

そのため自然の力に近い状態で、PR遺伝子群を植物体内に誘導して発現させるため、 植物体内でサリチル酸を誘導する薬剤および サリチル酸の作用を模倣する薬剤が開発されています。

現在では、稲いもち病・白葉枯病・もみ枯細菌病・穂枯れの予防薬、 きゅうり・レタス・キャベツ・ブロッコリー・はくさい・ねぎ等の 細菌性病害に有効として広く利用されています。
ただ、薬剤を用いている事には変わりないので、大量に使用される 農繁期においては排水路および河川に薬が溶け出し規制基準を上回ることが 懸念されていることにも注意が必要です。
魚への影響の懸念もあります。



光触媒反応水は、1度くぐらせるだけで根から吸水され、 PR遺伝子が発現することが証明されました 細菌や病原菌類を防ぐだけではなく、 殺菌剤等の従来の農薬では防除できなかった 植物病原性ウイルスによる感染も予防することが可能となります。
所定の時間働き、ただの水に戻るので環境に優しいといえます。


 

《 抵抗性遺伝子の働き 》

−見張り番ー





抵抗性遺伝子によりつくられるたんぱく質の役割は、病原菌の進入を見張るだけです。
存在するだけでは、抵抗反応が進行することもなく、エネルギーも消費されません。

”見張り”たんぱく質は、病原菌の侵入を見つけたときだけ指令を出して、
エネルギーを消費する防御実行部隊を動員します。

植物は、必要なときだけエネルギーを使うという効率的な仕組みを持っているのです。
Dr.岩田の「植物防御機構講座」第3章植物の病害防御機構(3)より





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